極限の状態に迫られた高校生たちが口にする真実とは?

あるテーマパークのプレオープンに「招待」された高校生たち。そこで彼らを待つアトラクションには恐ろしい罠が隠されていました。ひとりひとりに迫る究極の選択。「ダウト」の言葉とともに暴かれていく秘密。
デスゲームのモチーフとして用いられるグリムやペローの童話には、教訓としての恐ろしい罰が登場します。本作で敗者に与えられる罰ゲームは忠実にこの原作になぞらえてあり、読む者を戦慄させます。ホラーとしては効き目抜群の恐ろしさです。
しかし本作の面白さはホラー的要素だけではありません。勝つか負けるかの状態に置かれた人間が見せる本性、その狡さや弱さがしっかりと描かれています。そして極限だからこそ吐露される本当の感情。ダウトすることで自分の本音や過去の闇に向き合わざるを得ない苦しさ。この感情の揺れが強く伝わってきて、とても読み応えがあります。
ミステリーとホラーの融合したストーリー展開に引き込まれ、読む手が止まらなくなることでしょう。このゲームの目的は、そして真実はいったい何なのか。それはぜひ最後まで物語を体験してお確かめください。

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