怖い以上に面白く、面白い以上に怖い

こうした構成のホラーは、心理戦の要素が入り、怖いだけでなく、面白い、というより、尋常でなく面白くなりうるのだが、書く側のハードルは高い。

特に本作で採用されたトーナメント形式の場合、各戦をどう特徴付けるか、頭を悩ましそうなものである。

ただ、作者は、各々にグリムなどの童話を割り当てることにより、異なる印影と彩りを与えることに成功している。

そこに、互いに知る8人の男女の人間関係、更には主人公の過去や恋愛感情もからめば、冒頭の紹介文の如くになる訳である。




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