過去と現在。真実と嘘。生と死の表裏を、おとぎ話が謳いあげる。

私が月花様の作品と出会った時。私にとって月花様は、恋愛作品の女王でした。
次の作品と出会った時、ミステリーの女王様になりました。
さらに、今回の作品と出会った時。私は次のように心配してしまいました。

「月花様に何があったのだろうか」

恐ろしい潰し合いの中に、甘酸っぱさが漂うミステリーでした。

ここで私は、正直困っておりました。
本来、私はデスゲーム系、惨劇系の作品とは距離を置いていたからです。
何故なら『寝た子を起こす無邪気な害悪』と位置付けているためです。
表現の自由を簡単に謳歌できる昨今において、境界線を敷く前に侵食するツールを手にする機会は低年齢化し、選択をする前に突然現れ、囚われたあげく
サイ○パス、メ○ヘラ女(男)に代表される、響きに酔い使用され一人歩きする単語の中にある本来の起因、定義、病に至る危険を見過ごし、
『これが私の個性』『私だけが特別』
という幻想を脳内で現実に変換してしまう。

と、現実とエンターテインメントについて語っていては、何ともつまらない人生でしかないワケなのです。
こんな私のつまらない括りやゴタクさえ吹き飛んでしまう面白さと魅力が、月花様の作品にはあるのです。
そうです。距離を置いている私が最後まで拝読してしまうくらい引き付けられてしまう。

それが、月花様マジックなのです。

少々、閲覧には注意してくださいね。
そんな前置きをしつつも、私が避けたいと位置付ける表現は、スパイスとして必要な旨味を引き出してしまう月花様が駆使するフェアリーテールとの親和します。
それは『ダウト』を語るためには欠かせない表裏の招待状となって読み手を招き入れ、惨劇の風景すら荘厳な舞台装置として我々を虜にするのです。

月花様の懐深い趣向が織り成す『ダウト』。是非ともご堪能くださいますように。

最後になりましたが、月花様。
いつもいつも、素敵な物語を世に出してくださって、本当にありがとうございます。

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