kalaviṅka

作者 望月結友

仮想空間に奇跡の歌が響く 神話と融合したSFクライムストーリー

  • ★★★ Excellent!!!

近未来を舞台に宗教組織に絡む犯罪と対峙する事になった車椅子の捜査官クレア=モーリスの活躍を描くSFクライムストーリー。

物語の背景にあるヴェーダ神話・ブラーフマナ神話のエッセンスと、劇中に於いてクレアが使用し、仮想空間内で魔法にも似た奇跡を可能にする独自のコマンドプロンプトである“歌”によってSFとファンタジー要素を併せ持った世界観を構築している。

この歌を奇跡のコマンドとして解釈する手法は2000年代にゲームサウンドクリエイターの土屋暁氏等が提唱して以来、魅力的な設定に反して音楽方面に相応の知識を要するなど扱いの難しさから小説ジャンルでは中々有用に使いこなせる書き手が現れない要素である。
……が、こと本作に於いては杞憂であり、クレアと言う人物造形を掘り下げる重要な要素として見事に機能させていると言って良い。

相棒の激シブ親爺ことダニエル捜査官をはじめとした脇を固める人物達も非常に厚みのある人物造形で、アメリカの刑事ドラマが好きな私は終始ニヤニヤしながら読んでいる次第である。

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★★★ Excellent!!!

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