可愛いタヌキとイケメン狐が踊り出す楽しい物語!

最初は民謡とか踊りの解説の物語かな、と思うんです。
日本各地には実にいろんな民謡があり、踊りがあり、それを実に楽しく解説してくれているんです。

メインは人に化けたタヌキの紗雪と狐の夏音の交互の語りで、そこに様々な動物キャラクターが登場してきます。
この物語では民謡とか踊りは部活動になってて、彼らはそれらを楽しく学んでいるんですね。

自分の知らない世界を知る楽しみ、そんなものを追いかけていくと、昔から継がれてきた伝統の良さみたいなものが感じられてきます。
同時に移ろいゆく四季の風情なんかがしみじみと染み込んできます。

楽しい仲間とワイワイと踊りながら暮れてゆく日々。
しかしこの二人には秘密があって……というところからまた話が面白くなります。

それは楽しいだけでなく、切なかったり、悲しかったり、優しかったり、でもやっぱり大事な事だったり。
この物語は是非最後までしっかりと読んで欲しいと思います。

ラストで浮かび上がる叙情性あふれる読後感はなんともいえず感動的でした。
まさにこの作者ならではの作品だと思えました。

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