吸血鬼の物語であり、恋愛の物語であり、さらには……

最新の15話まで読んでのレビューです。
吸血鬼が当たり前のように人間を管理しその血を吸っている世界。
ヒロインの凛子はその当主に見初められ、花嫁として貴族社会へ召し上げられます。しかし彼女には幼馴染の伊織がいて、彼はなんとかその窮地から彼女を救い出そうとしていて……
という感じの話ではありますが、これだけではこの物語の良さをまるで説明できないのです。

おススメしたいのはこの物語が吸血鬼の物語としてとてもいい雰囲気を持っていることです。
それは読みやすいながらも、雰囲気のある言葉遣い、それらが紡ぎ出す退廃的で耽美的な雰囲気だったり。同時にヒロインの心情を丹念に追い、また伊織や当主の何とも魅力的なキャラクターたちが織りなすラブストーリーだったり。さらには予想不能の意外な展開を見せるストーリーだったり……
そういうものが一体となって作り上げるタペストリー、それがこの物語の魅力なのです。

最初はヒロインの鈍感さに、ヒーローたる伊織のけなげさに、悪役なのか見方なのか不明な当主の様子に、いろいろとハラハラさせながらも物語は力強く進んでいきます。

とにかく先が気になって、読み進めたくなる物語です。
連載中の今だからこそ、お勧めしたい物語です。

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