概要
追ってくる過去に別れを告げて、ふたり一緒にひとつの未来へ。
霧深い中アンルーヴという町に急ぐマルールは、町の周囲を囲む断崖に足を踏み外し真っ逆さまに落ちてしまう。目を覚ましエルネスティーという少女に助け出された彼女は、同時に自身の記憶が失われていることに気づく。行くあても帰る場所も思い出せない彼女は、記憶が戻るまでのあいだエルネスティーとともに過ごすことになった。
やがて困難は向こうからやってくる。エルネスティーを狙う暗殺者、無差別に襲いかかる疫病、そして忘却の彼方から、パパと、記憶を失う前の“自分自身”が──。
とじた過去からひらけた未来へ、これはそのための「今」という通過儀礼。
やがて困難は向こうからやってくる。エルネスティーを狙う暗殺者、無差別に襲いかかる疫病、そして忘却の彼方から、パパと、記憶を失う前の“自分自身”が──。
とじた過去からひらけた未来へ、これはそのための「今」という通過儀礼。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!端正な文章で綴る独自の世界
不思議な魅力を持つ小説です。
「百合」とあるので、どうかなと思いましたが、ほとんど気にならなかったので、少しでも興味を持った方は是非読んでみてもらえればと、レビューさせて頂きます。
一番の特徴は端正な文章です。しかも構成も良く、全体が精緻に整っています。会話表現も上手で、登場人物の個性がよく出ています。
これらは練習して習得したものなのか、それとも特に意識せずにできているのか、気になります。
二番目の特徴は、ストーリーテリングの巧みさです。
長く生きていると、大体のストーリーは先が読めてしまい陳腐に感じることが多いのですが、この作品はそれが一切ありませんでした。
淡々と進むようでいて…続きを読む