日本語あれこれ
だからあなたの日本語は伝わらない
ある日あなたの職場に東南アジア人がやって来た。彼らの日本語能力は十分ではなく、また、あなたも彼らの母語について全く知識がない。
さて、あなたならどうやってコミュニケーションを図るだろうか。
外国人労働者が日本で働く際に大きな障害となるのが言語である。意思疎通が出来ない事が様々なトラブルに繋がる。
よくあるのが「外国人だから英語で話せば良いんでしょ」という勘違い。
もしお互いに英語が流暢であれば問題ないが、そうでない場合が多い。「労働者と会話ができない」と嘆く雇用主に限って外来語(所謂カタカナ語)を多用している。
ある時、労働者が銀行口座を開設する事になった。雇用主が開設に必要なものを彼女に説明する。
「明日、印鑑を使います。印鑑、分かる?」
「……すみません、分かりません」
「あー、そっか。えっと、名前……名前のスタンプ!」
「名前の……」
「ス・タ・ン・プ! 明日ここに持って来てね」
次の日、彼女が持って来たのは1枚の紙だった。その紙には彼女の名前、それからスリーサイズと靴のサイズが書かれていた。
スタンプ→スタイル→体のサイズ、と理解したそうだ。
無理に外来語を使うと誤解されやすい。例えば「印鑑」が分からない労働者に対しては「はんこ」のように、より易しい日本語に言い換えると伝わりやすい。
労働者とのコミュニケーションにお悩みの方は、日本語をより簡単な日本語で説明する練習をしておくといいかもしれない。
……とは言え、労働者の義務である以上しっかり習得してから仕事をして欲しいものである。
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