小松菜農家

 九州南部の小松菜農家で働く労働者、Gさん(19歳 女性)。

 割と愛想が良く手先も器用。今時の若者といった雰囲気のGさんは、右手に鎌を、左手に段ボールを携え、只ひたすらに小松菜を刈っていた。


「この子仕事が早いんよぉ。助かるわ」


 そう言うのは社長の奥さん。

 子供がいない社長夫婦はGさんを娘のように可愛がってくれている。


「仕事が早いのはいいんやけどね、ほら、見てこれ」と、手渡された小松菜。すでに袋詰めされている、スーパーに置いているような製品である。

 よく見ると、小松菜の中に雑草が混ざっていた。


「これも、これも、あとこれも」

 Gさんが袋詰めしたものを奥さんがチェックして、雑草入りの袋を段ボールから取り出していく。

 あっという間に山積みになった雑草入り小松菜。


「仕事は早いんやけどねぇ」

「ありがとうございます」

 嬉しそうにお礼を言うGさん。



 仕事早いんやけどねぇ。


 日本語は難しい。

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