古代日本を舞台にくりひろげられる、壮大な英雄譚

我が国の黎明期ーー人々は定住し、稲作を始めました。やがて、彼らはクニを創り、後世につづく社会制度を築いていきます。
これは、そんな時代、ヤマトと呼ばれたクニに産まれた一人のヒメミコ・サナと、彼女を護るべく運命付けられた少年マヒロの物語です。

諍いをきっかけに、隣国の王族の少年タクがヤマトに入り、やがてサナの妹マオカに取りいります。史書に『大乱』と記録された大いなる乱世に、サナたちは呑み込まれていきます。サナを、大切なヤマトのひとびとを護るため、『神殺し』と言われるほど強くなっていくマヒロ。
西方の大国クナやイヅモをめぐる陰謀と激しい戦闘に、生命を燃やし、散っていく男たち。そんな彼らを愛する女たち……。
「わたしはヤマトで、ヤマトはわたしだ」と、繰り返していたサナが、物語の果てに告げた名と、伝えられる名の意味を知った時ーー後世に生きる読者の私は、感動させられました。

壮大な英雄譚であり、愛の物語です。歴史好きにお薦めします。

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