ゴミ屋敷を片付けると人生が見えてくる

物を貯め込みすぎた老婦人の家を片付けていく物語
ゴミ屋敷は人生そのものであり
物を整理するとともに過去を振り返り、家がすっきりと明るくなるのと同時に人生も明るくなっていく
この構図が分かりやすく美しい

そして「プロフェッショナル・オーガナイザー」という「片付けの専門職業」が登場しているのも日本語の小説では珍しく新鮮な設定。単に「おぼあちゃんを救う」という感動秘話ではなく、より客観的かつ適切な距離感が心地よい。主人公は依頼を受けた立場であり、親愛的でありながらも自分勝手な判断で老婦人の心に土足で踏み込んだりはしない。


これらに加えてイギリス在住の作者さまだからこその、リアリティのあるイギリスの空気感・豆知識の数々も魅力的。


物語として品があり、読後感がなんとも素敵な作品です。

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