ネットでは珍しい純文学

 こういった投稿サイトでここまで純文学な純文学作品はあまり見た事がありません。
 もう導入の時点で風景描写が綺麗なんですよね。こういった作品は名作が多いので読み進める事にしました。
 わかりやすく言うと本作品は『ゴミ屋敷掃除物語』なのですが、作者の表現は決して汚らしい物ではなくむしろ素敵な情景描写によって話を進めています。
 読み進めて行くうちに準ヒロイン? とも言うべきゴミ屋敷の住人が憎たらしくてしょうがなくなるのですが、それはページをめくるにつれて感動といとおしさに変わる事でしょう。
 芥川賞作家朝吹を彷彿とさせるようなこの作品。
 イギリスの人が『きことわ』を書くとこんな感じになるのかな、等と思いながらも小説の定石を踏み、しかも目新しい本作は純文学好きにはたまらない作品だと思います。
 また文学作品にありがちなバカを置いて行く、が本作品にはありません。私の様な学の無い人間を置いて行かない様にちゃんと注釈がわかりやすく文末に書かれています。作者の方の優しさや気配りが嬉しいです。
 その為小説あまり読まない方から読書好きの方まで幅広く楽しく読む事が出来ると思います。
 特に素晴らしいのがエピローグ。
 これがダメだとどんなにいい小説でも全部台無しになってしまうのですが本作は良作の見本、とも言うべき終わり方をしています。
 土曜日の午後、紅茶でも飲みながらゆっくりと読みたい。
 そんな一作です。

 
 
 

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