心の温まる良い小説を、どうも有難う。人生の再生物語は読者を鼓舞します。

別作の短編「砂糖はいかが(以前は違うタイトルだったような…)で初めて赤坂氏の作品に出会いました。大英帝国時代の貴婦人方の茶会の遣り取りを題材にした短編ですが、当時の英国事情に関する深い洞察が伺えます。
本作品も期待して読み始めたのですが、裏切られません。今度は、第二次世界大戦を引き摺った20世紀末の英国です。
作品タイトルは、読了すると膝を打つのですが、これだけでは内容を連想できず、それが少し悔しい。
ゴミ屋敷物語です。
ゴミ屋敷を扱った作品をカクヨムで他に1つ読みまして、MIKA氏の「ある日ゴミ屋敷の住人が死んだ」です。読み比べてみると面白いですよ。
MIKA氏は「何故、ゴミ屋敷に転落したか?」に焦点を当て、本作品は「如何にゴミ屋敷から脱却したか?」に焦点を当てています。個性の差ですね。少なくとも、私には赤坂さんの路線でアプローチできなかっただろう、と断言できます。悔しいですけどね。
それと、若い年齢層の方には通じませんが、終盤で往年のアニメ「みなしごハッチ」と同じパターンを踏襲しているんです。パクリじゃないですよ。これは一種の黄金律なんです。ネタバレ回避のために詳しくは書けませんが、キーワードは「みんなで…」。
お奨めです。
個人的な信条では、短編の合格点は星2つ。気に入れば星3つです。ところが、長編の合格点は星3つ。カクヨムでは星4つを点けれません。ですが、心情的には本作品に星4つです。

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