圧倒的な世界観、それを活かす上質なストーリー

文化人類学者の主人公が、人食い文化を持つ有角人たちの国を訪れる。この作品はなんといっても設定の練りこみが驚異的。

人食い文化の中でも「共食い・同族食い」に焦点をあてているのが個性あり。「食べられるものVS食べるもの」という定番の構図を超え、「食べられるものであり食べるものでもある」この複雑で悲しみと食欲が混ざり合う怪しい関係性が実に魅力的。

貴族たちの文化風習と儀礼はどれも華やかで、だからこそ異質さが際立っている。

この作者さまは以前から世界観と家族関係の描写がすばらしかったのですが、本作ではさらに磨きがかかっていて圧巻のおもしろさに仕上がっています。

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