重厚。食人文化と価値観を描いた本格異文化ファンタジー。

食人と共食いでしか「肉」を食べられない種族、魔族。そんな魔族の社会が文化的に発展したとき、食人はどのような形で行われるのか。文化や価値観、宗教観はどのように形作られるのか。それらを魅力的に描き切ったのが本作です。

人間社会で生まれ育った主人公と、魔族社会の貴族との価値観の相違がとにかく面白く、しかもドラマの中で新たに見えてくる側面もあって飽きません。

その作りこみの深さやモキュメンタリーという表現形式から、どうしてもWEBの流行からは外れた重厚な作品になってはいますが、それでも一気に読んでしまうほどの魅力があります。

良いものを読ませていただきました。

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