死に様ではなく生き様に見た狂愛

その死に様が語られる事の多い、細川ガラシャ。
彼女の苦悩に満ちた生き様に、夫の狂気じみた愛欲が絡まる。

日本史が動いたその瞬間に、丹後の片隅でやり取りされる意地と愛欲の応酬は、確かな歴史観に支えられ、見事な描き方をされている。

著者様らしさが全面に押し出された、繊細で、大胆で、狂おしい世界。
私もこんな風に書けたらなぁ、なんて到底及ばぬ妄想を抱く。

歴史に詳しくなくても、問題なく楽しめると思います。
是非ご一読あれ!

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