死と炎をまとう花が咲く

 登場人物がことごとく読み手に強烈な印象を与える、いくつもの炎が互いを煽りあっているような作品だと思います。忠興の激しくもねっとりとした狂愛、珠の冷ややかでいて苛烈な意思、伊也の一途すぎるゆえの憎悪……人の括りから外れていそうな感情の激しさと死への渇望は、愛ゆえのものか。愛に狂った花の競演が目に焼き付きました。

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