ちりぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ

その数奇な運命と生き様、そして、辞世の句で世に知られる細川玉(ガラシャ)と、その夫、忠興が繰り広げる愛憎相半ばのものがたりです。

戦国時代という時代においても、その苛烈な性情で知られるふたり。
ふたりの関係は、本能寺の変によって大きく変わります。
主君である織田信長を殺めた明智光秀の娘である玉、そして、織田信長の家臣であるとともに、主に深く敬愛の念を抱いていた忠興。

そのふたりがぶつかり合い、導き出した本能寺の変の真実とは。


歴史上のエピソードや人物像のツボを押さえ、独自の解釈であらたな物語を産み出す語り口に惚れ惚れします。

そして、あえてキメ台詞でもある玉の辞世の句言ってくれないさじ加減。物語内の玉と重なり、絶妙なもどかしさを醸し出します。いじわるめ。

だから声を大にして言います。歴史好きの皆さん!ここに皆が大好きなガラシャと忠興がおるぞ!期待通りにやべー奴だぞ!ハナハナでヒトヒトぞ!

歴史物好きな方は無論のこと、そうでないかたも是非ご一読を。

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