日本最古の物語とも言われる純正ファンタジー、竹取物語。
ファンタジー小説は大よそ、多くの作品が何かしらの題材を元に創作されている。例えば神話であったり、伝説であったり。
和風ファンタジーという言葉があります。
それらを和風というワードで見た場合、地名や登場人物などの呼称が漢字ならば、それで確かに納得でしょうか。些か疑問が残ります。
その点、本作は発想の出発点からして、そもそもが純日本製の物語から始まっている。この特異性だけでも読む価値があると思うのです。
細かい設定一つ一つを拾ってみても、どれもが日本のファンタジーとして頷けるものであり、実に上手く操り切ったという感想を持ちました。
形だけ和風に仕上げたファンタジーではなく、これぞ「和ファンタジー」という出来栄え、是非ともご一読あれ。