精神保険福祉士。医者とはまた違う、患者と家族を救ってくれるお仕事。

 世間には、時代と共に職業は細分化され、生活圏に触れないと知らないままで過ごしてしまう職種で溢れています。
『ときには傘に。あるときは靴に。』で出会った精神保険福祉士と言うお仕事。今の世の中、いつお世話になるか分からない方々が就いていらっしゃいます。

 精神疾患を抱える患者と家族と医者と、送り出すべきそれぞれの場所を見据え、橋渡しをするお仕事には、勢いに流されず的確に状況を冷静に判断し、毅然とした俯瞰的視線を維持する態度。
「なんでも相談して下さい」
作中にもある言葉から始まる、丁寧に制度や事務手続きへ導き、説明して下さいます。

 雨に濡れて、どうして良いのか分からない人には傘を。
怪我をする事が分からずに裸足で歩く人には靴の使い方と、紹介をしてくれる方々のお仕事です。

 世間は、情報の流れも格段に早くなり、得る物も多くなったと言うのに、
多数派と違う部分を責めて、隔離をする傾向になりがちです。
精神疾患が、気合いが足りない。考え方が間違っている。甘えだと、自分とは違う相手に押し付けようとします。
人の生き方、捉え方は違って当然なのだと、適切な情報が円滑に正しく報道され、この作品を通して考え直して下さる方が一人でも多く増えるよう願うばかりです。

その他のおすすめレビュー

八住 ときさんの他のおすすめレビュー175