花の種は何色

 プロローグ



この世界では、死んだ人は花の種になる。


だから、昔<戦争>って出来事が起こった場所は、

今は花畑に変わっている。


沢山の人が死んだから。


沢山の花の種が落ちた。


沢山の花が咲き乱れている。



私たちの世界では、<お墓>なんてものは存在しない。


<花園>という場所がある。


そこで皆管理される。


それぞれに、<花壇>を買って、そこに植える。


<花園>には、管理人の人が何人かいる。

その人たちが、花の世話をしてくれる。


枯れることはほぼないけれど、

時たま現れる、<花泥棒>とかを退治する為に。

時たま花の邪魔をする、<雑草>を駆除する為に。


故人の<花>は、高価で、貴重で、巷では

<不老不死>の薬になると噂されている。


あくまでも噂で、デタラメもいいところ。


けれど、<不老不死>を手に入れたい人たちは、

一向にその噂を信じ切っている。


<不老不死>になりたい為に、

他人を殺そうとする人までいるくらい。


<不老不死>になりたい為に、

他人を飲みこむことに躊躇しない人がいる。



そんな人たちと<花園>の管理人たちとのお話。






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