概要
過ぎ行く秋田の短い秋を、見逃さないで
秋田の秋は短くて寒い。そんな秋のある日、私は県立美術館にある『秋田の行事』という壁画を見に来ていた――
※私のもう一つの街コン作品『永遠の辰子姫』ももし良かったらどうぞ!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881889246
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!秋は短し。ゆえに貴く、美しい。
瞬く間に過ぎゆく、秋田の秋。
その刹那を巧みな筆致で捉え、文章でありながらまるで絵画のごとく色鮮やかに描いた作品が、この「秋は短し」です。
本作において私が何よりも素晴らしいと感じたのはやはり、秋という季節を表現するその圧倒的な描写力に他なりません。どこまでも緻密で明媚なこの物語の文章を読んでいると、秋田県立美術館のガラス窓を通したオレンジ色の情景が今まさに、自分の目にありありと浮かぶようでした。
本コンテストを通じて、私が最も「作中の舞台に足を運んでみたい」と感じたのも、迷う事なくこちらの作品です。
わずか2,349文字の物語でありながら、言葉を超えた美しさにより味わう事のできる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!時の流れは止まらない
四季というものがある。
日本人にとっては当たり前のそれも、世界という観点から見れば普遍的なものとまでは言い難い。一年中、強い日光が降り注ぐ国もあれば、氷と雪が世界を閉ざす国もある。
この物語は日本の中でありながら、四季の一つ、秋が短いと言われている秋田が舞台となっている。
主人公は、秋田の四季を描いたという絵画『秋田の行事』を見るために足しげく美術館に通う。
そこで出会う学芸員の絵画の説明を聞くことを日課としていた。
ある日、学芸員は実家の母の看病のために美術館をやめ、国に帰ると言う。
彼が去る最後の日、秋田は珍しい「秋の日」を迎える……。
時の流れは止まらない。
時間を止めて、とどれだ…続きを読む