第3話 包丁と女子高生
興味のある方は見てください。決してきもちのいいものではありません。包丁と女子高生の奇妙な話。
※
私は花の女子高生。名前はさやかと言います。
趣味は料理、編み物、読書などいろいろです。女の子らしいでしょう? 私はなんたって花の女子高生なんですから。
そうそう、もう一つ趣味と呼べるのがあったわ。
それは包丁を研ぐこと。だって切れ味が悪かったら料理にも不便でしょう? 他のことにも使うし。
さらにさらに、私は現在恋の真っただ中です。なんたって花の女子高生なんですから。
相手はサッカー部の先輩である健二さん。私の一つ上の学年でとってもカッコいいの。私はサッカー部のマネージャーをしているのよ。どう? 女の子らしいでしょう?
一年くらい前に好きになった男はひどかったわ。私のことを好きって言ってくれないし、他に好きな女がいるんですって。もう信じらんない。
だから殺しちゃった。よく研がれた包丁で。
その点健二さんはいいわ。家も近くていつも一緒に帰ってるの。たまに変なことも言うけど。例えば「蝉は短命だから味がギュッとしてそうだ」とか。でも普段はアイス好きないい先輩よ。絶対私のことを愛してくれてるわ。
でも、もし、健二さんも私を裏切ったら私、気が狂っちゃいそう。だってか弱い女の子ですもの。
でも大丈夫よ。絶対健二さんは大丈夫だわ。なんたって花の女子高生である私がとっておきのおまじないをかけたんだから。
そのおまじないのかけ方を教えてあげるわ。
裏切ったあの人を健二さんの家の庭に埋めたの。埋めるのには十分な広さだったわ。どう? 物凄く効果がありそうでしょう?
だから健二さんは大丈夫なの。絶対、絶対、絶対。
私の趣味は包丁を研ぐこと。どう? 女の子らしいでしょう?私はなんたって花の女子高生なんですから。
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