概要
1909年、世紀転換期ウィーン。
[ 建築家は最大の犯罪者だ。]
――アドルフ・ロース
スキャンダルを背負う〈男性嫌い〉な伯爵令嬢にして建築家志望のエーリカ。一年前に失踪した姉ベアトリーセをもとめて、エーリカはウィーンの街を彷徨っていた。
しつこくつきまとう謎の求婚者〈幽霊卿〉の影に怯えながらも、とつじょ現れた美貌の捜索請負人オスカー・オルフォイスの手を借りて姉の失踪の真相を追いはじめたエーリカ。やがて彼女は、かつて師であった建築家の遺した〈城〉をめぐる壮大な事件に巻き込まれていくが。
――アドルフ・ロース
スキャンダルを背負う〈男性嫌い〉な伯爵令嬢にして建築家志望のエーリカ。一年前に失踪した姉ベアトリーセをもとめて、エーリカはウィーンの街を彷徨っていた。
しつこくつきまとう謎の求婚者〈幽霊卿〉の影に怯えながらも、とつじょ現れた美貌の捜索請負人オスカー・オルフォイスの手を借りて姉の失踪の真相を追いはじめたエーリカ。やがて彼女は、かつて師であった建築家の遺した〈城〉をめぐる壮大な事件に巻き込まれていくが。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!階段の先、行き着くところは天国か地獄か。
すごいものを読んだなあ、というのが率直な感想です。
建築、造形美術、詩、哲学……と、作者様の造詣の深さに圧倒され、構築された世界観に飲み込まれてしまいました。
主人公のエーリカは行方不明の姉を探すため「オスカー・オルフォイス捜索社」なる場所を訪ねます。
だだ広い部屋。燃える暖炉。タッセルのないシンプルな窓辺。テーブルの上には山盛りのコンディトライの商品と、黄金色の紅茶……。
細部にまで行き渡った情景描写を楽しませていただいたあと、いかにも癖のありそうな社主・オスカーの登場。
――と、まるで映画を見ているかのような展開ににやりとしてしまいました。
また、作中で何度も引用されるダンテの『…続きを読む