安易な力への憧れへの強烈なアンチテーゼ

平凡でちょっと冴えない男子高校生が、ある日圧倒的な力を手に入れる。
その力を使って、悪者をバタンバタン倒して爽快。

そんな物語は、悪いとは言いませんが、正直個人的には苦手です。
そこに人間らしい心の機微や葛藤が感じられず、押し付けの正義が不気味だから。

この物語は、正にチート系のテンプレに一石を投じています。
力というファンタジー要素はあるけれど、主人公や友人たちは生身の人間として、現実を生きています。
力への葛藤など、心理描写が巧みで、どうか主人公にはこのまま真っ当な人間であって欲しいと気づけば切望している自分がいます。

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