近親「相」姦などない

実の父親から性的虐待を受けた50代の女性の自叙伝です。
最初のページを読んだから、自分が誤ったイメージを抱いていることを思い知らされ、読んだからには、また別の人に伝えねば、と思い、レビューという形を取らせて頂きます。

それは、世間一般で使われる「近親相姦」という言葉。
大人と子どもという力関係を前に、「お互いに」を意味する「相」はあり得ないと思った、という当事者としての声に、私ははっとしました。

また、近親姦の被害というのは、その時だけでなく、この著者のように50代になってもずっと心と体をむしばむものです。
著者が20代、30代、40代をどのように乗り越え、今このメッセージを発信しているか。
その重みは、私が語れるようなものではありません。

語れないからこそ、読んでみて下さいとしか、言えないのです。

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