越えてきた時間をもう一度やり直す。一度は憧れる設定ですが、実際にそうできたとして、それが本当にいいのか。ほんの些細なことならまだしも、大きな事柄にその力を使ったとき、後悔はその事柄に比例する以上の後悔を使った者に与えるでしょう。時は、まき戻しただけ。同じことが、そうしてまた起きる――――。
泣けます。泣いてしまいます。たとえ自分のことを失わせてでも、生きていてほしいから。自分の存在をなかったことにしてでも、存在しつづけてほしいから。その力は、呪われているほどに幸い。だけど、絶望しないで。もういちど、出逢って。さよならを、はじめましてに繋げてほしい。このつづきがあるのなら、恋愛小説コンテストに出していただきたいほどの感動作。
忘れてもまたつながってほしい。せつなせや悲しさを含んだこの作品の終焉が文学的なのだろう。でも私はまた彼女がどこかで知らない誰かに名前を呼ばれるのを待っている。
まだ若いふたりには、思わずこれからを期待したくなりました。それは…ナシなのかなあ…。瑞々しくて儚くて、透明な悲しみを湛えた美しい作品です。
初心者の頃の気持ちなのかもしれません
読みやすい文体で、明るいストーリーになるかと思いきや、男性サイドの切ない想いに終わったのが意外でした。他人の小説を読むのが苦手な僕ですが、なぜかこの小説はすらすら読めました。リーダビリティーに優れた短編なんでしょう。
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