異邦人パンデミック

　ＵＦＯ、エイリアン、都市伝説、超能力、オカルト、代替医療、政府の陰謀……
　インターネットで情報がやりとりされる現代でも、怪しげな情報が力を失うことはない。
　見下され、嘲笑されても信じる者は次から次に生まれてくる。
　なぜならそこに“真実”もあるからだ。
　そう少女は考えていた。

　違う世界から来た侵略者が、すぐ隣に住んでいる。
　ふつうの人間の顔をして、社会を壊そうとしている。
　そのことを自分だけが知っている。
　そう少年は考えていた。

　大異変の始まった夜、四国に住んでいた少年――牟田口信行は、社会の土台をゆるがすような光景を目撃した。
　それを知っているのは牟田口と、塾帰りに出会った「金星人」の少女だけ。

　周囲に信じてもらえなくても、牟田口は仲間を集め、Invader（侵略者）との戦いにそなえようとするが……