淡々とした日常を描き切る筆力


「桜庭灰慈は花咲師としての能力以外、
顔も勉強も運動もすべて平均レベルの普通の高校生」

と、あらすじに書かれているように、
ごく普通の高校生である主人公の日常が、淡々と描かれます。

この「淡々と」が、実はクセモノ。

本作における、見事なまでの「淡々と」のイメージが、
作者の筆力の高さによって成立しているからです。

平坦な日常を過不足もなく、さりとて大仰になることもなく、
サラリと描き出している筆致は読みごたえ十分。
「カク人」にとっての見本にもなりそうです。

ピンクの髪をした少年・灰慈。
ハーフの美少年・ツヅラ。
そして、謎多き少女・水川。

レビュー時点で、これから何か事件が起きようとしています。

彼らの活躍を、最後まで見守りたいと思います。

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