SFにホラーとファンタジー要素を加えたような独特な世界観に惹き込まれた。ほとんどの人類が死に絶えた世界の静寂に、安らぎを感じる主人公にどことなく共感を覚える。淡々としつつ緊迫感のある文章、リアルな幻覚の描写、グロテスクな侵略者の姿。この世界でのストーリーをもっと読んでみたい! と思わされた。設定を長々と説明しているわけではないのに、作者さんから与えられる情報のバランスが絶妙で、気持ちよく物語に没頭できる。物書きとしてはかくありたいものです…。
”犬どもは何を気にするふうでもなく、食事を続けていた。 こいつらはどんな世界の中で生きているのか。 世界をどう捉えているのか。 何も不思議なものなどないのだろうか。”ここがとても好きです。
ジャンルはSFと設定しているが、ホラーと思える内容。文章が上手く読んでいて、グイグイと引き込まれる。
もっと見る