シーツ

わたしを組み敷いた姿勢で

その男はただ黙って

鎖骨辺りに手を這わすだけだ

いくじなしと詰られても

爪のひとつも立てやしない


役割がどうとか言い訳するが

本心では求めちゃいないのだ

それを隠しも否定も肯定もせず

わたしのニーズに完璧に応えている

情けない男だと思った


失せろと言えば彼は解放される

思い通りすぎる幻想は消える

それなのにただシーツを握り締めて

しかめ面で黙り込むわたしは

情けないいくじなしだと思う

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