夏の喫茶店

溶けたぼくが入り込んだクリームソーダ

炭酸と憂鬱だけ避けて味わってるきみと

アイスクリームのスプーンに載せた温度

頑是なく染みついたナポリタンのソース


照明が暗すぎて気に入らないって言って

冷房がきついことはおおめに見たりして

やっぱりピラフがよかったなとは言えず

入道雲に憧れていた日のこと思い出した


ラジオ体操の義務感に首を絞められてさ

朝顔の色水の澄んだ色がかなしいほどで

もう二度と会えないような夏だねなんて

笑いあったけどそれは今もおんなじだよ


炭酸と憂鬱だけ飲み残して席を立つきみ

ぼくはホットケーキを頼みたかったけど

わがままを言えるような気もしないから

お会計は一緒でお願いしようかなとかね


だってきみに貸しをつくっておかないと

いつまた会えなくなるかわからないもの

もう二度と会えないような夏だねってさ

きみが明るく笑うのに耐えられなかった

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