【12】ほのめかし
Aだねと言われてBへ歩み出すオレの進路は危ういだろう
コーヒーの中にミルクはたちこめて落としどころをうかがっている
ほのめかす自分への愛 ひらこうとした手がやぶるしわくちゃの紙
鼻毛ボーンというギャグやってた芸人がやってた歯茎ニョーンというギャグ
おもしろい仕事と思い込もうとしてこねくりあげた理屈あれこれ
なんとなく気に入らないな突き刺してひねって抜けばぼろぼろの鍵
「星野監督はこの表情」とうどん屋のテレビが言えば客の振り向く
右耳と左耳とが聴いている虫のそれぞれ愛かもしれず
被害者の知人女性が心情を吐露し画面はその胸映す
くやしくてまた虫を踏み地になする季節のちょうど真ん中へんで
朝の陽のまぶしすぎれば回想のようで遠くに自転車のひと
庭を行くオレにちょうちょがついてきたように見えてた時間があった
カラオケは健康にいいと言い張ってカラオケに誘う男の声だ
楽曲が人間ひとりの一生と感じられればその死まで聴く
重役が何人か来てその中の不吉において抜きん出た顔
カーテンを閉めれば雨は音だけになってどこかで泣きだすおんな
すぐにやむお天気雨だそのような気持ちではない気持ちとかじゃない
充実の人のかかえるオレよりも高いリスクを畏れ敬う
納豆の入ったうどんを次こそは食べる決意で会計終えた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます