【15】貧乏になりやすい者の特徴
遠足の途中でオレの家が見えそのまま帰っちゃダメなんですか
まっさらな心に石を投げ入れた波紋のひとつ、(ひとつ)、((ひとつ))
宝くじ買いたくないが当たりたいオレの気持ちを知ってる手口
スーパーのBGMの中で聴く叱責、どこをとっても叱責
「監視するやつがいなけりゃ誰だってサボる」と言えば変な空気だ
親指に指紋があると思い出し無性に見たくなり飛び起きる
現実をある一定の角度から揺さぶるさまを犯罪と呼ぶ
「美味しんぼ」第一回で山岡が水三杯を飲み干すところ
座ってはならぬ規則のあるように男がオレを影として立つ
ストローで飲み干した後しばらくはスースースースー吸う男性だ
ありのままのオレはどういう奴なのか笑うと裂けるくちびるの皮
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」背景の一言も物言わぬ野山よ
自転車に乗ってるオレと目が合ってボール蹴るのをやめた少年
貧乏になりやすい者の特徴に合致ししかも貧乏である
インターネット炎上に湧く匿名のごとき植物、当然のみどり
世の中はいつでも暗く壁に見る神の言葉の文字の真っ白
子供らの踊るテレビの棒立ちのひとりとオレの目が合っている
鳥の群れはカーブしてゆき電気屋ののぼりの四本とも鏡文字
「人それぞれ」なんて言ってはみたもののつぶしつづける口中の泡
人形のサンタが片手に持っているリボンのほどけないプレゼント
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