「帰れるに決まってんだろ。――御崎川から、三人で」

 どこまでもまっすぐな少年ととても純粋な少女、そしてなにかをあきらめた少年。死んだはずの少女の宣言で始まる「ゲーム」が、彼らを思いもよらぬ未来へとみちびきます。

 複雑にもつれた糸がほどかれるにしたがって二転三転する物語に、あかされる真実に、心を揺さぶられながら、誰かのために何かをする、ということの意味を、登場人物たちを通じてさまざまな角度から体験することができました。
 硬質な文章と緻密な描写をあじわっているうちに、登場人物ひとりひとりの視線から、「ゲーム」に参加しているような気分になります。
 青春ものやミステリーがすきな方は是非ともご覧くださいませ。

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