本気で手を差し伸べたいと願うとき、人はきっと、時間だって飛び越せる。

謎だらけの「ゲーム」に誘い込まれた、3人の高校生。
誰が巻き込み、誰が巻き込まれたのか。
彼らを翻弄する「仕掛け人」の、真の思惑は。
そして、彼らが探せと命じられた「アリス」とはいったい何者なのか――

断片的に甦る彼らの記憶のピースには、誰もがどこかで覚えがあるだろう光景が散りばめられていて、それをつなぎ合わせて真実に迫ろうとしているのは彼らであるはずなのに、いつの間にかこちらまで「ゲーム」に参加しているような心地になってきます。

タイムリープものというジャンル自体は決して目新しいものではありませんが、世間に林立するその系統の作品とは一線を画したものにしようという作者様の思いが伝わってくるような仕上がりになっていると感じます。

約42万字というボリューミーな作品ですが、正統派ジュヴナイルのお好きな方なら、あっという間に読めてしまうはず。

ぜひ、ご一読を。

その他のおすすめレビュー

守里さんの他のおすすめレビュー31