じりじりと焦げるような思春期の心の痛みを感じる一作!

三人の高校生たちがその内容も目的も「アリス」の正体もわからないゲームに巻き込まれる、という作品。読み始めてから文字数の多さに気づき、もしかしたら途中で読むのをやめるかもしれないと思ったのですが、続きが気になって読むのをやめられず結局最後まで読まされてしまいました。面白かったです。キャラクターの造形や心理描写がうまく、思春期の心の痛みや葛藤が伝わってきました。特に仁科くんがお気に入りのキャラです。侑の出会いの辺りがすごくドラマチックで。それから風景や情景の描写も情感たっぷりで、リアルな教室の風景がありありと心に浮かび胸が苦しくなりました。一つ一つパズルのピースがはまっていき、真相が明らかになるような構成もなるほどという感じです。もっと多くの方に読まれてほしい作品!

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