ライトノベルとハードボイルド。明るいノリと暗いコンテンツ。相反するものがまじりあっている感じが作品に独特の熱量を与えていて、特に後半、わくわくしました。あるいは、一端から一端への遷移、と呼んだほうが正確なのかもしれませんが。時間軸に沿って推移するそれは、しかし予告されたように世界の終わりに行きつくことはなく、むしろ終結部の余韻は果てをはみ出してその向こうの世界に繋がるものであるように思いました。決して希望があるわけではないけれど、暗がりのなかにぼんやりと浮かぶあかりを示してくれるような、そんな小説でした。
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