概要
琥珀色の熱情
鉄鋼製品の会社で働く「ぼく」は、小説を書きながら宇佐見駅近くの喫茶店で「コハク」さんと出会う。「コハク」さんとの語らいを通して、自らにあるねじくれた自意識と「領域」を受け入れていくはなし。
宇佐見小説集第二作。全11部分。
宇佐見小説集第二作。全11部分。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「わかる」を疑う
現代は「わかる」の時代だと思う。
人々は会話中ことあるごとに「わかるー」「それな」と口にし、Twitterでは人々の共感を集めてバズることが良しとされ、お笑い芸人はあるあるネタを披露して笑いを取る。
けれども、私たちは本当に「わかって」いるだろうか?
「わかる」と言いたいがための「わかる」を消費して、日々過ごしてはいないだろうか。
ADHD当事者で社会人としての生活を送るのに薬を必要とする主人公は、小説を書くのを趣味としている。
文学賞に応募した経験があるものの、結果は一次選考を通過したに留まったようで、代わりに受賞したのは「わかりやすい孤独と困窮」を描いた「ありきたり」な小説だという。
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