第十六章では、アテナ誕生の神話における天体運動逆転、あるいはトロイア側で川におちて死んでいる人が多数いるところを書きました。
それを組み合わせたファンタジーですが、
神話の繋がりのエッセイが止まっているところからわかるように、神話を結構そのまま遊んでいる感じです。新しい発見があるわけでもないし。
神話上の言葉で強いてあげるなら、アレクサンドロスでしょうか。
これをヤマト言葉で読むと、アレクさんとこの次男 になります。なぜかヤマト言葉で読めてしまうのです。しかも、幼少期にしかこの名前が使われないということですし、これ以前に似たような名前がありませんから、これが由来かも?
アレクさん(さん というのは、サンクチュアリなどのサンと同様で聖なるという意味でしょうか)(サンスクリット語では、完成された。大人の、みたいな意味です)これが人名につくのはヤマト言葉の特徴です。さんって、将軍や陛下よりもともと位が上の呼び方だと思われます。漢語直訳では、聖アレクみたいな……。
ドロスとは、じろう、のことです。現地ではタウロス、タロスというのが長男につくようです。それで二番目という音のジ、あるいはドがつくと、ドロスという音になります。次男です。三番目はトロス、四番目はテトラオス、五番目はペンタウロス、六番目はヘクトロス みたいな感じ……。
日本語では、たろう、じろう、とおる……、これ以降は希であるため伝承がないのですが、たぶんこんな感じではないかと……。
アレクサンドロスの家族構成として伝わる情報とは違うのですが、名前からはアレクさんところの次男なのです。ただ他の史料がないので、検証が……。
これより少し北欧神話の話になりますが、
あっと驚く繋がりが出るのはむしろここからです。
さて第十七章「おもちゃと夢の館」
ギリシャから離れて世界の情勢が真っ白なところから始まります。戦略的な話にはなりませんが、ドラゴンやセイズといった魔術の話になったりと、ファンタジー色が強くなりますね。
一応、表向き、リッリとムルムルによる賢者対決になっていきます。コメディー回とも言えるかもしれません。