「金木犀 初恋」を含む小説

金木犀の花言葉の一つ「初恋」 その香りと共に紡がれる恋のお話 舞台は戦時中～終戦の頃 ハッピーエンドです

「街を歩いていると、ふと幼い頃の懐かしい感覚が呼び起こされた。 　――金木犀の匂いだ。」 匂いは多くの記憶を内包している。そしてそれは、蓋をしていたものを外に出してしまう。

　お母さんの葬儀のあと、金木犀の咲く庭で優が泣いていると、小さな女の子が現れて言った。 「お兄ちゃん、なんで泣いてるの？　男の子は泣いちゃだめなんだよ」 　女の子は赤い漆の椀に庭…

他人の嘘がわかる少年、村田陽輝（むらた　はるき）。毎日周囲の人間の嘘に触れて生きることに下を向いていた陽輝に話しかける一人の少女、神崎胡桃（かんざき　くるみ）。不器用で下を向いて…

過去作。 金木犀の花言葉から連想した、初恋の短編。

町外れにある小さな珈琲店【金木犀珈琲店】にはじめてのおつかいに行った主人公・花村夕陽の長い長い初恋のお話。長い髪とやわらかな笑顔が美しい・沢木千蔭は、夕陽のまっすぐな恋心と成長に…

通学に使う無人駅で、その出会いは訪れた。

高校時代、同じ部活の先輩だった人から、ある花束が送られてきた。 それは、その人からの最後の贈り物となった。 参列した葬儀で、生前、その人が好きだと言っていた花を、棺に供えるが…

その人はいつも金木犀の香りを身に纏っていた。 長い濡れ羽色の髪は艶やかで、年頃の乙女たちの中でも一等、彼女は美しかった。

『花が香る頃、金木犀の下で告白すると初恋が叶う』──そんなジンクスがある高校に今年から通う篝火泉(かがりびいずみ)は、文化祭を間近に控えたある日、同級生の幼馴染みである牡丹一華(…

金木犀のある公園であった、少し不思議な出会い。

ただ隣に居られたらいい。ずっとそう、思っていた。

夜な夜な階段に現れるカラスに怯えるタダシくん。彼の一場の経験を描いた童話です。