概要
初恋は実らないと言うけど、これは実ったお話。
お母さんの葬儀のあと、金木犀の咲く庭で優が泣いていると、小さな女の子が現れて言った。
「お兄ちゃん、なんで泣いてるの? 男の子は泣いちゃだめなんだよ」
女の子は赤い漆の椀に庭の枯山水の白砂をすくうと、金木犀の花を載せて優に差し出す。
「はい、ご飯。アーちゃんおかかのふりかけご飯大好き。ご飯食べたら涙が止まるよ」
なんだかわからないうちに、優はその子と、おままごとを始めていた。
「お兄ちゃん、なんで泣いてるの? 男の子は泣いちゃだめなんだよ」
女の子は赤い漆の椀に庭の枯山水の白砂をすくうと、金木犀の花を載せて優に差し出す。
「はい、ご飯。アーちゃんおかかのふりかけご飯大好き。ご飯食べたら涙が止まるよ」
なんだかわからないうちに、優はその子と、おままごとを始めていた。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!金木犀が繋ぐ家族と初恋の記憶。切なくも温かい心に残る物語
「金木犀のふりかけご飯」は、金木犀の香りを通じて描かれる家族の絆と初恋の物語が心に深く残る感動作やねん。物語の中で繰り返し登場する金木犀の描写が、過去と現在を繋ぐ象徴として巧みに活かされてて、読み進めるたびにその香りが読者にも届くような、そんな心地よい余韻があるねん。
物語は、主人公・優くんが過去の思い出と向き合いながら、失った家族や初恋にまつわるエピソードを回想する形で進んでいくんやけど、その描写がとても繊細で丁寧。特に、幼いアーちゃんとの交流や、金木犀を象徴にした再会のシーンには、胸が締めつけられるような感動があったわ。
ただ、「ちょい辛」の視点で見てみると、時系列が行き来する展開が…続きを読む