「確かに 昔話」を含む小説

不死の薬を燃やそう、そう思った時、帝の頭に一つの閃きが過ぎった。 もしこれを飲んで数百数千の年を生きれば、いつか月にも手が届くのではないかと。 その考えは、当たらずとも遠からず。…

「読書感想文って聞くだけでも俺は憂鬱なのにさ、休みの日にわざわざ本を読むなんて……ホント物好きだよね……」 　確かに自分も義務教育のころはそうだったかもなと、懐かしい記憶の扉を…

　――昔話をしよう 　それは、街に自動車はなく馬車の走っていた時代 　紳士はスーツではなくテイルコートやタキシード、淑女は肌の露出を控えたバッスルスタイルのドレスを着てい…

昔話をしろって？　眠れないから？ 悪いけど駆け出し冒険者なんだろ。わかってるって、おまえがそんなもんじゃないのは。でも自分で決めた設定は守らないとな。 駆け出しの冒険者っていうの…

貧しく、つましい不便な古い時代だった頃、 より大きな幸せのために、小さな犠牲を払うのは、 一つの社会正義の形であり、必要悪であった時代が確かにあった。 豊かになり、自由があり、…

「ちょっとした昔話を思い出したんだ。確か……死んだペットは、天国に続く虹の橋の前で飼い主を待っているって話」 　スマホから聞こえてくる物語に、化け物ライターはうっとりとまぶたを…

　若葉町にはある伝説がある。 　江戸時代ごろだろうか。町に鬼が出没し、人々を襲った。その折ある人間が現れて、鬼と戦った。彼は町を守って伝説になった。 　高校の教室でも度々話題にな…

昔話とは実に未来のことを考えてかかれている。＿いや、確かに教訓と言うこともそうなのだが。 もしかするとそれはカモフラージュに過ぎぬかもしれない。

死者やホラーの恐怖とは、生者の幻想によるもの。お葬式やお墓、都市伝説は、決して自然発生したものではなく、何らかの形でできあがってきたもの。そこには確かな意味があり、存在する。そこ…

童話の姫君の名前を持つ存在「貴属」が、理を書き換え続ける世界。アルビノの少女萌は、16歳の誕生日を控えたある日、旅人エルニと出会う。 人の心を蛇の形で見ることのできるエルニは、…