「カクヨムネクスト賞 円城塔賞」を含む小説

「心不全じゃないかも。 　もっと深い、……“空白”みたいなものがある」 出版社勤務の女性が、自宅で静かに息を引き取った。 死因は心不全。遺書も争った形跡もない。 だが、刑事・朝…

ショートショートのお話です。 よりよい社会のために働いていました。 頑張って働いていましたが、努力には限界があります。 効率化のために才能を調べ、その人に向いた職場で働けるよう…

侯爵令嬢のジーナはある日、貴族学園の食堂で、一人寂しく黒パンを齧っている、メアリーという女子生徒を見掛ける。 ジーナがメアリーに話を聞いてみると、メアリーの家は貴族とは名ばかりの…

古着屋「灯衣堂」で働く店長・紬は、 “幽霊”れいちゃんとごく普通に会話している——つもりだった。 しかし日々積もる小さなズレは、思いもよらない方向へ紡がれていく。 毒舌な幽霊、ク…

　同僚の山本が住んでいる部屋には、鏡が三つも備え付けられている。しかもそのうち一つには、ありえない光景が映し出されるという。 　実際に彼の部屋へ行ってみると、それは最近よく売られ…

あの日、俺は呪われた。それ以来、人が人に見えない。 《刑事》として、人の心の闇を覗いてきた。闇を理解するために、犯罪者の思考を追い、心を観察し、その中身を掴むために古今東西の心…

「アンタはバカだけど、馬鹿じゃない」 写真が好きな男子・柚木晴が通う通信制高校のスクーリングの日。隣に座ってきたのは、地雷系女子の桜草リラだった。 関わりたくないと思うけれど、…

◆あらすじ Ａｙａは孤独なスナイパーだった。 ＫｏｕはＡｙａ専属の情報屋だった。 二人は秘密の関係となる。 その危険を捨ててパリに二人で暮らすこととなる。 Ａｙａの神友（しんゆ…

同棲して二年になる主人公と莉子は、スーパーに買い物に来ていた。「今日、何鍋にする」という主人公の問いに、莉子はスマホの画面を見ながら、まともに答えようとしない。挙句、「水炊きにす…

火星人の少女は、少年におのれの内臓をひらいて明かす。そこには純粋な親愛と好奇心がある。 人間の見た目をして人間離れした少女は、何を目的としておのれの内臓を少年に見せたのか？そして…

愛する彼女をトラックの事故から庇い、その短い生涯を終えた男。 しかし、その自己犠牲の精神は、天界の女神の心を強く打ち震わせた。 「これほど強靭な精神……素晴らしい逸材です」 女神…

豊臣秀勝（豊臣秀吉の姉・ともの子。豊臣秀次の弟）と江（豊臣秀頼の母・茶々の妹）の子・完子は、まだ乳飲み子の頃に秀勝が病没し、結果、江が徳川秀忠に嫁入りすることになったため、江の手…

一人暮らしをしている男子大学生の戸塚（とづか）は、ある日道端でテレビ局のディレクターだと名乗る男から声を掛けられる。 何でも男は、『サキュバス女子VS鉄壁男子』という番組のキャス…

小柴尊が生きる近未来は、告白は古の儀式とされ、告白支援システムなしの実行は「告白ハラスメント」として忌避される世界だった。 尊は意中の相手に告白するため、システムが非最適解と警…

とある会社の出張報告書です。

不快な記憶や歴史が「不衛生」として除去（清澄）された近未来。 人々は合成された無菌の飲料のみを摂取し、穏やかな忘却の中で生きていた。 主人公は「醸造矯正官」。 地下から発掘され…

12月の朝、高校2年生の真子は登校すると自分の机の中にクラスメイトの咲から健人に宛てたラブレターが入っているのを見つける。 真子は咲の恋を邪魔しようと健人になりすましてラブレター…

「俺は、光だ」──人類最後の物理カーレースB-LF1を支配する“帝王”ライト・マッキール。 彼を支えるのは、冷徹にして唯一の相棒、フィルターAI・M。 黄昏のサーキット、年間王…

命を救ってくれた恩人に、想いを届けるために許された手段は、匿名の手紙。そして生涯を通じて２回まで。 相手のことを知ることは決して許されない。 限られた言葉の中で託した想いと、…

国を滅ぼした大罪人レヴィアが残したという「焼かずの塔」。 天才魔導士アルベラとその一行が挑む探索で、彼らは「再生の花」と出会う。 それは祝福か、それとも──