「青春短編」を含む小説

　人見知りの高校生・七海は、他人の辛い記憶を「買い取る」不思議な能力を持っていた。 　同級生の美咲の苦しみを救ったことをきっかけに、密かに「記憶屋」として活動を開始。失恋やいじめ…

世界には二種類しかない。洗練されたものと、そうでないもの。 芸術至上主義の美術商・龍之介はそう信じて疑わなかった。 だが、同窓会で再会した幼馴染・直子は、彼の固定観念を容赦なく揺…

これは私の懺悔です。

中学三年生の春日井美景（かすがいみかげ）は、学校の屋上をサボり場にしている「ダサい不良」だ。授業をエスケープし、課題もやらない。そんな彼の日々は、ひたすら「だるい」倦怠感に満ちて…

千葉県、西柏市、鶴谷城高校の図書委員。朝日梨花は、図書室を利用している生徒から「借りた本に《すきです》と書かれたしおりが挟まっていた」と相談を受ける。「しおりラブレレター」を本に…

私と彼女との出会い。 学校の教室、使い古された机と錆びた椅子。生徒たちの笑い声、交わされる言葉。それらは本当に「現実」なのか？ 意味のない言葉、期待のない会話、呼吸のたびに胸…

花奏（かなで）と砉（ばり）： 地方に暮らす男子学生。サッカーが好き。

　中学の演劇大会以降演劇をやめた歩葉と演劇を続けた亜美。面識のあった二人は高校で二年間友達を続けてきた。 　臨時部員として演劇部に招待された歩葉は弱小演劇に覚える親近感とは裏腹に…

昭和五十年代の、とある町。 高校一年生の「僕」は、毎朝バス停から病院の時計台を見上げる。 屋上で洗濯物を干す若い看護婦さんは、いつも空を見上げていた。 百人一首の歌とともに、その…

戦国大名について調査する、歴史の授業のペアワーク。 私のお相手は、あまり話したことのないクラスメイトの坂本くんだった。 どうやら彼は、明智光秀の生まれ変わりらしく——。

あの風が強く吹いた日からはじまった、 高校1年生の葵と綾、小学5年生の美羽の関係。 『葵と綾、そして風』から続くシリーズの、 ちょっぴり脱力な一夏の思い出。 町内会の夏祭り、ス…

授業で習ったあの革命、 遠くて私には関係ない――なんて事ないね。 あの人が戦い、慕われ、つないで。 いま、私が知って課題にしてサンドイッチを食べて。 ひとつの「調べもの」が、…

虚しさを抱えるバスケ部マネージャー・加奈。彼女が付き合ってきたのは、容姿と才能に恵まれたイケメンばかり。努力を軽んじる華やかな世界が、彼女のすべてだった。 一方、ボール拾いと嘲笑…

高校生男女のすれ違い。素直になれないから不幸が起きる。では、素直になれたら？

清心館女学院には、銀の天使と呼ばれる探偵・日ノ宮雪乃がいる。 彼女に寄り添うのは、内気で繊細な一年生・如月萌花。 生徒会長・支倉七々瀬、副会長・志崎暁希、美術部を彩る百瀬千里と天…

一一音無ナツミは遺骨を持ち歩いている。そんな噂が同級生の間に流れたのは、彼女が大学に入学してすぐの夏だった。ナツミの持つロケットペンダントに隠されたモノ、その秘密とは......。

放課後の校門。「後で」と言ったその一言が、時間を戻せる不思議な砂時計を手に入れた少年の、決して戻せない真実。 やり直しの度に失われていくのは、些細な言葉？それとも、かけがえの…

大学最後の思い出に熱海へ卒業旅行に向かった6人の仲間たち。しかし、密かに想いを寄せる創が体調不良で参加できず、美樹は失意の中、透・菜緒・宗一郎・定志・船長の真木と共に海釣りに出発…