「取り 鳥」を含む小説

救国の英雄――ルナ・ベルスレイフ。五十人斬りの伝説のサーベル使いは、しかし本当は、かつて女の子として生を享けた筈の、美しい少年だった。過酷な運命に翻弄され、すべてを失い続けるルナ…

　痩躯の美青年シャオは子どものころに売られ、あこぎな商売に手を染めるフンテオ一座で働いている。腕利きで冷酷なシャオは十九歳の若さながら、一座の縄張りでおそれられていた。 　ある晩…

　カルト教団に捕らわれた青年・道眞は、刑事の百舌鳥とともに脱出するが、動く屍と化してしまう。 　同時に、謎の怨霊〝キヨイ〟によって、瀕死の百舌鳥は道眞に生かされる運命共同体となっ…

閉塞感。重圧感。責任感。 いつも逃れたいと思っていた。 纏う空気を取り払えたら、きっと空は青いのだろうと信じた。 そんな中で見つけた彼は……。

世界で一番有名な兄弟ではないかと思われるカインとアベルの物語をモチーフにした話。 可為武（かいん）と阿比留（あびる）という名前になっています。 ある時、養父の弥兵衛が病気にかかり…

　期待に胸を弾ませて迎える高校生活。私が出会ったのは、三脚に、スコープに、カメラを構える、謎の部員たちだった。 　 　被写体は、あれ!? 　新入生の緑が送る、羽毛ふわふわ、翼ひ…

　遠い親戚夫婦の下に養子に出された少女・サリア。 　十六歳になった彼女は、借金の返済の代わりに、悪い噂の堪えない領主の元に嫁がされることになる。 　教会での結婚式の最中に、ステン…

火事によって家族を失った少女・巡（じゅん）が受ける、心の傷と呪いの物語。

朝、笠井瞳子と山田聡子は学校が騒がしいことに気づく。人の流れを追って校庭に行くと、そこには巨大な鳥の文様が描かれていた。その絵を見て動揺する山根に、瞳子は「ある日の出来事」を思い…