火葬鳥

作者 富士普楽

121

45人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

簡単に一言で説明できるような小説ではないです。
決して美談ではない。しかしそこに確かにある人間的な衝動を、垣間見た気がします。

昨今の創作物は「死」を軽々しく扱えるものにしてしまったかもしれません。そんな今だからこそ、真にその重み、それが起こす負の連鎖の意味するものを、よく考えるべきだと思いました。

★★★ Excellent!!!

火事で、父と母を失い、そして後日、弟も……。

すべてを失った少女は、再び家族に逢いたいと、ある行動に出る。

最初から最後まで、身につまされるような小説でした。決して、晴々しい、気持ちの良い物語ではありません。でも最後まで、目が離せませんでした。これほど力のある小説に出会えたのは、久しぶりです。

★★★ Excellent!!!

文句なしの物語です。

非常に重い話でしたが、釘付けにされ最後まで読まなければならないという使命感が働きました。

前後編になっており、前編で心を掴まれた方は最後まで読んだ方がいいでしょう、これだからWEB小説を読むことは止められない、と思わせるほどのリアリティのある作品です。

二度読みしたい、と思わせるほどの文章力を纏った短編でした。

次の話にも期待して、星3つ送らせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

人が恐怖を感じるというのが、何らかの圧倒的理不尽に打ちのめされたときであるとするなら、この物語はまさしく恐怖を感じさせる物語である。
無駄のない短編で読みやすい文体軽快な文章は、火葬鳥の芯である恐怖を和らげるどころか、その柔軟な手触りによって私たちにより一層の恐怖を実感させるすべとして働く。
文章の端々から主人公の情念が否応なしに感じられ、読みすすめればより一層文章が心にからみつき私たちのホラーを読む原動力たる”好奇心”を刺激する。あっという間に、怖いどきどきうずうずと感情の激流を下り、ラストにたどり着く。一見したありきたりなようで深い視座の入り用になるラストは読後に奇妙な爽快感を残して幕を閉じる。
このような短編が4,5本あれば商業出版もあり得るのでは?と思わせる逸品でした。
最後に、レヴューをだ、である調にしたのは、ホラー好きならば是非読んでほしいからです。読みましょう。面白かったです。

★★★ Excellent!!!

火の妖鳥に取り憑かれた少女のお話。

タイトルにある「火葬鳥」が姿を見せるのは文中では決定的な瞬間のみですが、少女に常に纏わりつく死のイメージが火や死への根源的な恐怖を喚起してくるようでした。一切救いのないお話ながらも文章が非常に巧みで、ハッとさせられるような言い回しも多いです。
とにかくおぞましく、しかし美しい。ホラーというのは耽美なジャンルだと思います。短い中にホラーの魅力が生きる珠玉の短編。

★★ Very Good!!

 暗さ、救いようのなさでも断トツ。
 表現方法も、「転んだ先で待ち構えるアスファルトの固さのように、」など巧い。状況の描写、回想、考察、会話など流れのバランスがよく、内容の陰鬱さを上回り、生きることの辛さや非情さを訴えるという点でも優れた短編かと感じました。