ホラーというジャンル名とこのタイトルに一切の偽りなし。このお話にはひとつの化け物が登場する。異形であり、妖にして怪なるものです。けれど本当に怖いこと、怖いもの、ぼくらが恐れることは「それ」なのでしょうか。このお話はホラーという幻想を語りつつも、そこに埋もれがちなひとつの答えを隠すことなく照らし出しています。まるで燃えさかる炎が自らの前に曝されたすべてにそうするように。ぜひご一読のほどを。
火事で、父と母を失い、そして後日、弟も……。すべてを失った少女は、再び家族に逢いたいと、ある行動に出る。最初から最後まで、身につまされるような小説でした。決して、晴々しい、気持ちの良い物語で…続きを読む
文句なしの物語です。非常に重い話でしたが、釘付けにされ最後まで読まなければならないという使命感が働きました。前後編になっており、前編で心を掴まれた方は最後まで読んだ方がいいでしょう、これだか…続きを読む
火の妖鳥に取り憑かれた少女のお話。タイトルにある「火葬鳥」が姿を見せるのは文中では決定的な瞬間のみですが、少女に常に纏わりつく死のイメージが火や死への根源的な恐怖を喚起してくるようでした。一切救…続きを読む
暗さ、救いようのなさでも断トツ。 表現方法も、「転んだ先で待ち構えるアスファルトの固さのように、」など巧い。状況の描写、回想、考察、会話など流れのバランスがよく、内容の陰鬱さを上回り、生きること…続きを読む
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