おぞましく美しい火の神話

火の妖鳥に取り憑かれた少女のお話。

タイトルにある「火葬鳥」が姿を見せるのは文中では決定的な瞬間のみですが、少女に常に纏わりつく死のイメージが火や死への根源的な恐怖を喚起してくるようでした。一切救いのないお話ながらも文章が非常に巧みで、ハッとさせられるような言い回しも多いです。
とにかくおぞましく、しかし美しい。ホラーというのは耽美なジャンルだと思います。短い中にホラーの魅力が生きる珠玉の短編。

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