「不思議文学」を含む小説

窓際のソファに座る、柄だらけの服をまとう女性──「パッチさん」。 本名は鳩峰撫子。旧家の令嬢ながら、誰とも似ていない装いでラウンジに現れる。\n\n彼女がぽつりと呟いた。「……あ…

中学生の門前あすかは今日のプールの授業は休んだ。それだけど、なんだか、なんでか、プールに飛び込んでいたのだった。本と一緒に。 あすかはその日から『黄泉の水底』と呼ばれている場所に…

夏休みが始まってゴロゴロしていた少年は母にせっつかれて宿題を仕方なくやることにした。宿題は観察記録をつけること。何事もなく終わろうとしていた時、何かの声がきこえた。

宝石工の石川は、友人で大学の准教授をしている岩上から「イシウシ」という水生生物を託される。 岩上の研究の手伝いとして、イシウシを育てることになった石川の生活記録。

曰く、この世のありとあらゆる物事は全て幻で、 それに伴うありとあらゆる色覚も感覚も、実は幻で、 目の前には、ただ、移ろいゆく事象があるばかり——らしいのだが、 じゃあ、いったい…

疲れた夜にだけ現れる、不思議な青年——ユウリ。 彼の細く美しい指先は、まるで水のように心に触れ、青く透明な“何か”を掬い上げる。 心を癒す行為か、それとも依存への入口か。 触れ…

とある場所のとある喫煙所で、二人の男が頻繁に顔を合わせるようになり、 やがて彼らは互いの進路、将来などについて語らうようになる。 二人の歩む道は共通していたが、はたして彼らは行き…

『格安で最高の旅の物語が体験できる』というチラシに引かれ、男は幻想旅行社という旅行会社を訪れる。しかしそこは客が希望する旅にあった本を提供する、物語旅行の企画会社で……

すべての命が巡る「円い河」をテーマにした連作。きみも僕も同じ命の河の中。名を変え姿を変え、永遠に廻り続ける。星々を巡らせることは生きることだから。 「広義のSF」を募集する創元…

奇異國(キイノクニ)には、人型の白兎と帽子職人が住んでいた。 現世とは離れた異世界。昼と夜が2分割して同時に存在する。 そこに、別の世界からの旅人が、不慮の事故で流れ着く。 違う…

ふららちゃんシリーズ第４弾！今回はちいさな良い子も安心して読める楽しい健全童話です。 四年生以上で習う漢字にはフリガナを付けました。

　ずっと未来、終わりを迎える惑星の、どこかの病院で語られた小さな物語。 　絵葉書の夢を見る娼婦「ルピシア」。世界の終わりをつくった、機械人形師。踊り続ける少女。「嘆きのピエタ…

銀河鉄道に乗ってしまった少女、新海アカネは星を廻る旅に出る。

『１２秒』という、時間を元に作りました。『他人』の中で生きる『魂』の、悲話です。

仕事帰り、私は不思議な少女に出会った。 一緒に絵を描くことになった海岸は、不思議な言い伝えがある場所だった。

国営備北丘陵公園へ遊びに行った家族は、そこで妙なものと出くわします。そいつから試練を与えられた一家は、どのようにそれを乗り越えていくでしょうか。

満月のあの夜、君の弱弱しい鳴き声にあたしは呼ばれた それからは毎日一緒だったね あたしの世界は、君がいることで少しずつ明るくなったんだよ やんちゃで無邪気で愛らしい……そう、君は…

消えた夏を探す少女のお話。 2024年7月頒布『水風船すくい掌編集　迷い夏、探してます　他二編』収録作品

《もしも、タイム・マシンがあったなら、あたしは七年前にいく。》 七年前、タイム・マシンを探して失踪してしまった叔母・はるちゃんと再開する話です。 *** 11月〜12月まで弄っ…

雪と、人と、心。